北朝鮮の軍事ドクトリンは、ロシアの作戦術、中国の軽歩兵戦術、及び朝鮮戦争中に学んだ北朝鮮の教訓に基づいている。このドクトリンは、主体思想の国家目標により調整されている。主体思想の影響は、輸入された軍事概念を朝鮮半島において見られる独特な地理、社会条件、及び経済条件に適応させている。北朝鮮のドクトリン内の指導原則は、以下のものである。

１．殲滅：防御するCFC部隊を現地で撃破する。退却及び再編成を許さない。

２．奇襲攻撃：予期せぬ方法による予期せぬ襲撃を行うことにより達成される。CFCに有効な対抗措置を取ることを許さない。部隊を攻撃の準備がほとんど必要のない状態にしておく。卓越した作戦保全及び欺騙を実践する。夜間及び悪天候下における攻撃は、奇襲を達成する最良の方法である。

３．圧倒的な火力：機動の機会を創出し、CFC部隊を粉砕するために、重火器及び多連装ロケット発射機からの大量の火力（化学弾頭を含む。）を使用する。

４．機動：移動中の攻撃／逆襲を可能にするために、戦車、装甲兵員輸送車、自走砲、車載ロケット発射機、及び車載対空砲を使用する。移動中、増強されたC2システムを利用する。

５．確固たる後方：攻撃部隊に対する連続した支援能力を完全に維持するために、CFCの攻撃から後方地域が安全であることを保障する。

６．敵後方における特殊作戦及びゲリラ戦の実施：これらの作戦は、前線CFC部隊に対するCFCの航空、砲兵、及び兵站支援の混乱を最大にするために、密接な調整下において実施される。

７．地上軍との調整における海軍及び空軍の使用：CFCの防御縦深に戦闘を移行させるために、これらの戦力から利用できる独特な火力を使用する。特殊作戦部隊を浸透させるために、その輸送能力を使用する。航空及び海上攻撃から確固たる後方を防護するために、それらを使用する。

８．梯隊戦力：紛争の展開に応じて、攻勢・防勢のどちらにも対応できるように軍団以下に梯隊配備する。通常、3個梯隊。第１梯隊に戦力の3分の2、第２梯隊に3分の1、予備又は第３梯隊として9分の1。

９．諸兵科連合作戦：戦闘遂行の成功のために、大小、通常及び非通常の全戦力の行動を調整する。

１０．適切な兵站：戦闘作戦及び長距離LOCを支援するために、十分な兵站部隊を保障する。

１１．地形の最大限の利用：山岳地作戦を強調する。

１２．詳細な偵察：CFCの位置を知り、それを目標化する。

最終更新日：2003/05/21